不動産対策の場面

不動産を平等に相続させたいが共有は回避したい

 Aさん(72才)は、アパートを一棟を所有しています。Aさんには三人の息子(長男B、次男C、三男Dがいますが、妻には先立たれています。

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 Aさんとしては、自分が亡くなった場合息子たちに平等に相続させたいと考えています。一方で、アパートは共有にしたくないとも考えています。しかし、アパートを子供の誰かに単独で相続させた場合、それに見合うだけの代償資産がありません。アパートは老朽化しており10年以内には取り壊しが予定されています。

 このままAさんが何もしなければ、Aさんの死亡後アパートは共有状態となります。そこで、家族信託を活用してAさんの希望に沿うようにすることが考えられます。

 まず、AさんとBさんの間で家族信託による契約を結びます。Aさんが委託者兼第一受益者、Bさんが受託者となります。そして、Aさんの死亡後は、B、C、Dが3分の1の割合で受益権を有する第二受益者とします。また、Bさんにはアパートの取り壊しや売却についての権限も与えます。さらに、アパートを売却した場合には、代金はB、C、Dで平等に分配することも定めておきます。

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 こうすることによって、アパートが共有状態となることは避けられますし、取り壊しや売却についてもBさんに権限がありますので、スムーズにこれらの作業を進めることができます。売却された場合は、平等に配分されますので、結果的にAさんの希望に沿う形になります。

空き家となる自宅を確実に売却したい

  Aさん(75才)は、妻に先立たれ自宅に一人で暮らしていました。子供は、息子のBさん(45才)と娘のCさん(42才)がいます。

 その後、Aさんは老人ホームに入居し、空き家となった自宅を売却しようと考えています。ですが、Aさんは、認知症になった場合に不安を感じています。

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 自宅の買い手が見付かったとしても、その時点でAさんが認知症になり判断能力が衰えていれば、要後見の状態ですから、成年後見人がいなければ自宅の売買契約は締結できません。

 もっとも、、Aさんの自宅は空き家になったとはいえAさんの居住用不動産ですから、息子のBさんがAさんの成年後見人となったとしても、売却するのには家庭裁判所の許可が必要になります。

 ですが、預金が十分にあるような場合、自宅を売る合理的な理由がないとして家庭裁判所の許可が降りない可能性があります。そうすると、Bさんは空き家となった自宅を管理し続けることになり、Aさんの希望は叶えられなくなります。

 しかし、Aさんが元気なうちに息子のBさんとの間で家族信託による契約を結んで、自宅を管理処分できる権限をBさんに与えておくと、Aさんが認知症になったとしても、Bさんにより自宅の売却が可能になります。この場合、Aさんが委託者兼受益者、Bさんが受託者となります。

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 このような場合の信託の仕組みの設計方法としては、家族信託のみ、家族信託と成年後見、家族信託、成年後見に加えて遺言など、Aさんの希望や資産状況等により様々なパターンが考えられます。

 このように、ご本人が認知症になった場合、家族信託以外の既存の制度では解決が困難なことがあります。家族信託には、もしものときの保険のような働きがあります。

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