交通事故Q&A

Q 事故は警察に届けるべきでしょうか?

 これについては、必ず警察に届けて下さいとお答えしています。

 自賠法では、民法不法行為の立証責任が転換されており、加害者側が無過失の立証をする必要があります。

 しかし、警察への届出がなく、交通事故証明書が発行されない状況ですと、事故が発生したこと自体は被害者側でやはり立証しなければなりません。

 交通事故証明書がない状態で、これを立証するのは容易ではありません。

 まずは、警察に届けて下さい。その後、物損扱いにするか、人身扱いにするかを決めて下さい。

Q 相手側の保険会社から、同意書が送られて来たのだが、気持ち悪いので送り返したくのですが。

 同意書の内容がよく分からない場合は、専門家に相談されることをお勧めします。

 ただ、事故直後保険会社から送られて来るのは、任意一括の同意書と個人情報に関する同意書です。

 これは何のために送られて来るかといえば、病院の治療費を保険会社が被害者に代わって支払うためです。

 全部、自腹で払って後から保険会社に請求するつもりというのなら、話は異なります。

 しかし、保険会社に治療費を立て替え払いしてもらうためには、これら同意書の提出は必要です。ですから、必要以上に警戒することはありません。

Q 保険会社の担当者の態度が悪くて、まったく誠意がみられない。

 どんな担当者にあたるかは運のようなものです。親身に対応してくれる人がいるかと思えば、横柄な態度の人がいるのも事実です。

 人と人ですから、相性みたいなものもあると思います。もっとも、あまりにも態度が悪いと感じる場合には、担当者の上司に連絡して担当者を変更してもらうという方法もあります。

 ただ、保険会社の担当者は、事故を起こした本人ではないのですから、必要以上に誠意を求めるべきではないと思います。

Q 病院が交通事故では健康保険が使えないと言っている。

 多くの病院で健康保険を使用したいといえば快く受け入れてくれますから、このような相談は以前に比べると減ってはきています。

 そうはいうものの、まだ、交通事故は自由診療ですという病院もあるようです。なぜこのような現象があるかですが、診療報酬は、それぞれの費目に応じた点数が定められています。これをまとめたものが診療報酬明細書(レセプト)と呼ばれるものです。健康保険を使用した場合、1点10円で計算されます。広島市内の多くの病院では、自由診療の場合、1点14.4円で計算されるようです。

 病院としては、同じ治療をしても自由診療のほうが高い報酬が得られるし、保険会社が支払うのだから患者の負担にならないのだからいいじゃないか、という理屈なのでしょう。しかし、後の損害賠償額の枠を治療費で減らさないためにも、健康保険は使用したほうがよいです。今の時代に、頑なに健康保険の適用を拒むような病院があったら、さっさと転院して良いのではないでしょうか。

 自由診療を頑なに主張する病院であっても、こちらが健康保険に第三者行為の被害届(傷病届)を提出すれば、病院としては健康保険を適用せざるを得ません。当事務所では、第三者行為の被害届(傷病届)を作成提出代行しております。
(※当事務所代表・山本重吉は、社会保険労務士業務特定社員です。)

 ただし、労災が適用になるときは、そもそも健康保険が使えませんので、この場合は別の話です。
 

 また、重傷の場合で、保険が適用できない自由診療でなければ治療が効を奏しないような場合も別の話になります。

Q 保険会社が健康保険を使ってくれと言っている。

 先の説明でも分かるように、保険会社がそのように言うのは損害賠償額を抑えるためです。

 そうはいうものの、被害者側にも、健康保険を使用することによって、最終的な損害賠償額が増えることもあります。これは、治療費が圧縮される分、結果的に慰謝料が増えたりすることがあるからです。

 ですから、ご自身に全く過失がないような事故であったとしても、健康保険の使用を頑なにこばむ必要はないと思います。

Q 整形外科に行っても良くなるような気がしないので、整形外科に行くのをやめて、接骨院や整体だけ通いたい。

 接骨院や整体に行った方が楽になるけど、整形外科に行っても良くなったような気がしないので、整形外科をやめて、接骨院や整体だけに通いたいというという方も少なからずいます。

 しかし、後遺障害診断を出来るのは医師だけです。そして、事故から何か月も経過して、いきなり後遺障害診断だけをしてほしいと整形外科に行ったとしても、経過が分からければ医師としても後遺障害診断をするのは難しく断れる場合もあります。

 このようなことを避けるためにも、事故直後から定期的に整形外科に通う必要がありますので、接骨院や整体だけに通うということはお勧めできません。

Q 治療中に、保険会社から治療費の支払い打ち切りを告げられて困っている。

 けがの状態にもよりますが、3ヶ月、6か月、1年といったタイミングで、保険会社のほうから、「そろそろ治療を終えられては」といった話があります。

 この時点で、本当に痛くて治療の必要があると思えば、その旨保険会社に伝えて治療に専念しましょう。実際に治療費の支払いを打ち切られたら、その場合は自費で行くことになります。自費で行くことも難しいという状況でしたら、慰謝料の内払いを求めることや、自賠責の枠が残っているようでしたら被害者請求に切り替えて治療費を捻出するという方法もあります。

 とくに事故後6か月を過ぎると、後遺障害診断も併せて勧められることもあります。後遺障害診断をするとそこで症状固定となります。そうすると、それ以降の治療費は支払われないことになりますのでご注意下さい。

Q 相手側が任意保険に加入していないので困っている。

 このような場合、ご自分の自動車保険に、車両保険や人身傷害特約をつけていれば、この特約で対応することができます。
 

 しかし、このような特約がなくて、相手側に自賠責保険しかないような場合は、自分で自賠責請求をする必要があるし、相手側との交渉をしなければならないので大変です。

 相手側が任意保険未加入の場合、相手方の自賠責保険の担当者が対応してくれるのではないかと勘違いされている方もいます。

 しかし、任意保険に加入している場合と異なり、保険会社の担当者が対応してくれるということはありません。相手方に自賠責保険しかない場合、その保険会社が自賠責請求の窓口になるだけです。

 このような場合は、まず健康保険を適用して、少しでも治療費の枠を確保する必要があります。そして、タイミングを見計らって自賠責保険へ被害者請求することになります。もちろん、当事務所でもサポートします。

 被害者なのに、どうしてこんな面倒なことをしなければならないんだと思われるかもしれません。そのようなことを避けるためにも、車両保険や人身傷害特約への加入は必要です。
 

Q 加害者が任意保険どころか自賠責保険さえかけてなかった。

 このような場合、政府保障事業へ請求することになります。大まかに説明すると、自賠責の被害者請求によく似ており、実際の請求窓口も各保険会社の自賠責の窓口だったりします。

 政府保障事業の場合、自賠責と異なるのは、政府保障事業が一度被害者に損害賠償額を払った後、加害者側にその金額を求償するということです。

 もちろん、当事務所でもサポートしています。

Q 後遺症が残りそうで怖い

 後遺症など残らず、きちんと治って元気になるのが一番です。ただ、どうしても完治せず、何らかの症状が残りそうな場合は対策が必要です。

 「古い事故の後遺症で腰が痛む」などということは、日常よく聞く話です。

 ただし、後遺症と後遺障害は厳密には異なります。後遺症>後遺障害というような感じになります。
 
 後遺症という言葉は、事故の影響で自らの体に何らかの症状が残っているという意味で用いられます。後遺障害というのは、広い意味での後遺症のうち、自賠責の後遺障害の等級表のいずれかに該当するものをいいます。

 交通事故の後遺障害で一番多い相談は、頚椎捻挫、いわゆるむち打ちと呼ばれるものです。後遺障害等級表では、14級9号「局部に神経症状を残すもの」、もしくは12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」に該当する必要があります。

 14級9号に該当するためには、基本的に、画像所見か神経学的所見のいずれかがあることが必要になります。12級13号に該当するためには、そのいずれも揃っている必要があります。

 文言だけみれば、頑固かそうでないかの違いのように思えますが、実際はこのような区別があり、骨折や脱臼がないいわゆるむち打ちで12級13号に該当することは極めてまれです。仮に12級13号に該当するとしても、別途既往症がみられることも多いです。このようなことから、多くのむち打ちの場合、14級9号に該当するか、それとも非該当になるかが分かれ目になります。

 神経学的所見というのは、腱反射等をみる検査で一定程度の結果が出ることをいいます。

 画像所見といえば、まず思いつくのはレントゲンです。ただ、レントゲンだけですと画像所見としては弱いと言わざるを得ません。基本的には、MRIによる画像所見によるしかありません。

 そこで、できれば、保険会社が治療費を払ってくれているうちにMRIを撮影しておくことが望ましいです。

 当事務所では、あらゆる段階から交通事故で被害に遭われた方をサポートしています。

Q 後遺障害の認定が得られなかった

 後遺障害の認定が得られなかったのならば、後遺障害がないということなのですから本来なら嬉しいことです。

 しかし、明らかに何らかの症状が残っているのに、認定が得られないということがあるのも事実です。

 後遺障害が認められるためには、基本的には、事故直後から事故を原因として症状が発生していて、治療中も一貫して同じ症状を訴えており、後遺障害診断時に、その症状が残存していることが必要です。

 何でこれを見ていくかですが、基本的には、事故直後から症状固定時までの診断書および後遺障害診断書、レントゲンやCT、MRIといったもので見ていくことになります。

 明らかに後遺障害診断時に後遺障害に該当する症状が見受けられるのに、後遺障害が認定されないというケースでは、事故との因果関係が認められないというように判断されることが多いです。

 このような場合、今残っている症状が事故を原因だとすることを丁寧に説明していく必要があります。そのためには、事故状況についての資料を作成したり、改めて医師に意見を求めたりする必要があります。

  
 また、明らかに症状が認められるもの、検査が足りずに後遺障害が認定されなかった場合や、後遺障害診断の方法に誤りがあって認定されなかったような場合もあります。このような場合は、追加で検査をしたり、改めて後遺障害診断をしてもらう必要があります。

 後遺障害に該当するのに、後遺障害の認定が得られなかった理由は様々なものがありますが、代表的なのは上記のようなケースです。手続きとしては、自賠責へ異議申立をすることになります。もちろん、当事務所もサポートします。

Q 過失割合に納得がいかない

 過失割合について納得がいかないというのも、本当によく聞きます。これは、いろいろな人の話を聞いて思ったことですが、男性が年齢を重ねていくと自分は絶対に悪くないという人が多いように思います。理由は分かりません。

 過失割合というのは、保険会社から裁判所まで、基本的に、別冊判例タイムズという本をベースにして決めます。判例タイムズには、いろいろな事故のケースを想定して、基本的な図が何種類もあります。まず、今回の事故は、何番目の図の事故に該当するかということを確定させます。交差点進入時の信号の色で争いがあるとすると、そもそも、どの図に該当するかで揉めます。

 画像の説明

 どの図の事故か確定したら、修正要素というもので過失割合を調整して行きます。双方の話が一致しているようでしたら、ここですんなり決まります。

 ただ、過失割合で揉めるようなケースですと、双方の話が食い違うので、何が正しいのかということになります。人身事故の場合は、実況見分調書が作られるので、大体はこれに基づいて過失割合を定めることになります。

 難しいのは物損事故です。警察では、どことどこが衝突したかというのは一応確認しますが、図面としてはかなりおおざっぱです。弁護士が照会をかけて、この図面の写しを取得したとしても、どんな事故だったのかほとんどよく分かりません。

 
 では、どうすればいいかですが、任意保険に加入しているのであれば、事故状況調査をしてもらい、双方の言い分を聞いてもらえば、ある程度の結果が出る可能性があります。

 それでも、納得いかない場合で、弁護士特約があれば特約を使って裁判をするのも方法なのではないでしょうか。

 自動車同士の事故であれば、双方の車両の損傷写真からある程度事故状況を推察することもできます。なかなか、事故直後に過失割合でもめそうかなんてわかりませんが、何らかの直観が働いたならば、今はスマホや携帯で写真が撮れますから、現場でたくさん写真を撮っておくというのもひとつの方法だと思います。

Q 交通事故証明書の取り方

  交通事故証明書を取得するには、二つの方法があります。

 一つは、窓口に行って取得する方法です。広島市ですと、安全運転センターに行って取得することになります。事故の当事者であれば問題なく取得できます。当事者でなくても、委任状があれば代理での取得も可能です。

 事故直後だと、安全運転センターにデータが来ていないために取得できないこともあります。その場合でも、後日郵送して貰えます。

 もう一つの方法としては、郵送請求による方法です。郵送請求用の用紙は、各警察署に置かれているので、これを使用して取得します。

Q 交通事故証明書の甲欄、乙欄について

 交通事故証明書を見てみると、甲欄、乙欄(当事者が増えると、丙欄、丁欄等が追加されます)に当事者が記載されています。

 一般に、甲欄に記載された当事者のほうが、乙欄に記載された当事者より過失割合が多いと言われています。

 しかし、車と歩行者の事故では、車側の過失割合が少ない場合でも、車側が甲欄に記載されます。また、車同士の事故であっても、事故証明書が作成される段階で、いずれの過失割合が高いか不明な場合もあり、便宜上片方の当事者を甲欄に記載したりします。

 交通事故証明書の当事者欄を見れば、どちらの過失割合が高いのかの目安に一応はなりますけど、絶対とはいえないということです。

Q 実況見分調書を取るにはどうしたらいいか。

 交通事故で人身事故があった場合、警察によって実況見分調書が作成されます。

 実況見分調書には、現場の図面にどういう経過で事故が生じたのかが記載されています。また、事故車両の写真等も添付されています。

 事故後、実況見分調書が必要になるのは、主には当事者双方で事故状況や過失割合の主張に食い違いがみられるような場合です。

 その他には、自賠責で重過失減額があった場合の異議申立の資料にしたり、後遺障害の異議申立をする際にどの程度の事故であったか把握するためであったりします。

 実況見分調書は、検察庁で、閲覧もしくは謄写(コピー)ができます。謄写は、少し面倒な手続きが必要になりますが、検察庁に行けば流れは分かると思います。
 実況見分調書の閲覧・謄写をするにあたっては、送致日、送致番号、送致先の情報が必要になります。これについては、事故を担当した警察署の交通課で確認します。

 広島市内ですと、送致先として、広島地検、広島区検、可部区検があります。広島地検と広島区検は、ともに広島の法務合同庁舎内にあるので、そこに行けばよいです。

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