相続人と相続分について

法定相続人

 ある人が亡くなって相続が開始した場合、相続人となる者の範囲があらかじめ法定されています。これを法定相続人といいます。


 第1順位から第3順位までが法定されています。第1順位は被相続人の子になります。第2順位は被相続人の直系尊属、つまり被相続人の親や祖父母といった人です。第3順位は被相続人の兄弟姉妹です。


 そして、配偶者は常に相続人となります。配偶者とは、法律上の婚姻をした相手方のことをいいます。ですから、事実上の婚姻である内縁の場合、相続人とはなりません。

法定相続分

第1順位の相続の場合

 配偶者 2分の1 子 2分の1となります。

 子が複数いる場合は、2分の1をさらに均等に配分します。

第2順位の相続の場合

 配偶者 3分の2 直系尊属 3分の1となります。

第3順位の相続の場合

 配偶者 4分の3 兄弟姉妹 4分の1となります。

代襲相続

 代襲相続とは、本来相続人たるべき者が相続開始以前に死亡し、または排除・相続欠格によって相続権を失ったときに、その者の子がその者に代わって相続することをいいます。


 例えば、兄弟姉妹が相続人となる場合に、被相続人の兄がすでに死亡していたような場合、兄の子、つまり被相続人の甥や姪が相続人となります。

相続人とならない人は

相続人の欠格事由

 民法891条は以下のような場合相続欠格者として相続人とならないことを定めています。

1  故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者

2 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。

3  詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者

4  詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者

5  相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者
 

 これらに該当する者は相続人となりませんが、ある者が欠格者である場合にも代襲原因となりますので、代襲相続人には相続権が発生します。

推定相続人の排除

 欠格が何ら手続きを要せず当然に相続人にならないのと異なり、推定相続人の廃除は、被相続人が生前に自らの意思で推定相続人を相続から排除するものです。


 排除の対象となる推定相続人は遺留分を有する者に限られます。つまり、兄弟姉妹が推定相続人の場合は排除の対象とはなりません。このような者を相続から排除するためには、遺言を作成しておけば済むからです。


 排除の方法は、生前排除と遺言排除があります。生前排除は家庭裁判所の審判によってなされます。遺言排除は文字通り遺言で行います。


 推定相続人の廃除は、推定相続人の相続権を奪い去るものですから、極めて限定的な場合にしか行えません。

具体的には民法922条に定められており、①被相続人を虐待したとき、②被相続人に対して重大な侮蔑を加えたとき、③推定相続人にその他の著しい非行があったとき、とされています。

相続放棄

 相続放棄をした場合、その者は相続人とはなりません。


 相続放棄は、一般的には相続財産に負債が多い場合になされます。登記等で遺産分割協議による放棄により他の相続人が相続出来ることから、これをもって相続放棄と勘違いされることがあります。しかし、相続放棄とは家庭裁判所に届出ることによってなすもののみを指します。


 相続放棄で気をつけなければならないのは、熟慮期間と呼ばれるものです。相続放棄は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」にしなければならないとされています。


 この熟慮期間の起算的は、厳密には被相続人の死亡日とは異なりますが、余裕をもって手続きをするためには、被相続人の死亡日から3ヶ月と考えるくらいでいいかと思います。


 相続放棄の場合、代襲相続は発生しません。