通常の相続と異なる財産承継の場面

自分の死亡後、認知症の妻が亡くなった後の承継先も指定したい

 Aさん(70才)には妻のBさん(68才)と息子のCさん(40才)、娘のDさん(35才)がいます。Bさんは認知症になっています。Aさんの資産としては、自宅と預貯金があります。

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 Aさんは、自分が亡くなった場合Bさんに全財産を相続させたいと考えています。また、その後Bさんが亡くなった後は、自宅をCさんに、預貯金をDさんに引き継がせたいとAさんは考えています。

 しかし、Aさんが遺言を書いて全財産をBさんに相続させたとしても、Bさんは認知症のため遺言を書けるだけの理解力はありません。そうすると、Bさんが亡くなったときには、CさんとDさんの間で遺産分割協議をすることになります。CさんとDさんの間で遺産分割協議が、Aさんの希望どおりになる保証はまったくありません。

 このような場合、家族信託を活用すれば、Aさんの希望を叶えることが可能です。具体的には、AさんとCさんで家族信託による契約を結びます。

 まず、Aさんを委託者兼第一受益者、息子Cさんを受託者とします。そして、Aさんが亡くなった後の第二受益者を妻Bさんとして、妻Bに渡った遺産の管理と生活・介護・療養に関する費用の給付等をCさんに託します。

 Aさん及びBさんが亡くなった時点で信託契約が終了するように定めて、残余財産については、自宅を息子Cさん、預貯金を娘Dさんで配分するように規定します。

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 Aさんが亡くなった時点で、娘Dさんが遺留分減殺請求をする可能性があれば、遺言を作成し、遺留分減殺請求の順序を①信託財産以外のすべての財産、②自宅に関する信託受益権のように定めておきます。これにより、自宅が共有となることが防げます。

 このように、家族信託には、遺言では難しい第二次相続人を指定するのと同様なことを行える機能があります。

自分の死亡後、後妻が亡くなった後は、前妻の子に財産を残したい

 Aさん(70才)は再婚相手である後妻Dさん(65才)と暮らしています。AさんとDさんの間には子供がいませんが、亡くなった前妻Bさんとの間には、娘Cさんがいます。Aさんは、自宅と預貯金を資産として有しています。Aさんには信頼できる親族としていとこのYさんがいます。

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 Aさんは、自分が亡くなったら全財産を後妻Dさんに相続させたいと思っています。しかし、後妻Dさんが亡くなった後は、Dさんの親族ではなく、娘のCさんに引き継がせたいと考えています。

 しかし、後妻Dさんが亡くなった後に娘Cさんに資産を承継させるためには、後妻Dさんが遺言を書く必要があります。仮に書いたとしても、遺言はその後書き換えが可能なので、娘Cさんに承継される保証はまったくありません。

 この場合、家族信託を活用すればAさんの希望をかなえられます。具体的にはAさんとYさんで家族信託による契約を結びます。

 まず、Aさんを委託者兼第一受益者、Yさんを受託者とします。そして、Aさんが亡くなった後の第二受益者を後妻Dさんとします。これによりAさんが死亡した場合でも、後妻Dさんの生活の場と生活費は確保されます。

 そして、Aさん及び後妻Dさんが死亡したとき信託が終了するように定め、残余財産の帰属先を前妻との間の娘Cさんに定めます。

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 これにより、Aさんの希望が叶えられることになります。この場合でも、Aさんが死亡した時点で娘Cさんが遺留分減殺請求する可能性があるので、遺言等で対策をしておく必要があります。

自分の死亡後、内縁の妻が亡くなった後は、思いどおりに財産を残したい

 Aさん(65才)は、籍を入れていない内縁の妻B(63才)と二人暮らしです。AさんにもBさんにも子供はいません。Aさんの法定相続人は姪が三人いるだけです。姪の中でもAさんは特にCさんを可愛がっており、CさんもAさん宅によく訪れています。
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 Aさんは、自分が亡くなったら、全財産を相続権のない内縁の妻Bに譲りたいと考えています。そしてBさんが亡くなったら全財産を姪のCさんに引き継がせたいと考えいます。

 この場合、AさんがBさんに全財産を遺贈すると遺言を書いたとしても、その後更にCさんに引き継がれるかはBさん次第です。仮にBさんがCさんに遺贈するという遺言を書いたとしても、遺言は書き換えが可能なので、Cさんに引き継がれる保証はまったくありません。

 このような場合、家族信託を活用すればAさんの希望を叶えることができます。具体的には、AさんとCさんとの間で家族信託による契約を結びます。

 まず、Aさんが委託者兼第一受益者、Cさんを受託者とします。そして、Aさんが死亡した後の第二受益者をBさんとします。これによりAさんが死亡した場合でも、Bさんのの生活の場と生活費は確保されます。

 そして、Aさん及びBさんが死亡したときに信託が終了するように定め、残余財産の帰属先を姪のCさんに定めます。これにより、Aさんの希望がかなえられます。

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