• 特殊車両通行許可
2025.05.29
運送業・建設業・産廃業の実務担当者向け特車通行許可 完全攻略シリーズ

【第1回】基礎編:特殊車両通行許可とは?2025年最新制度解説

はじめに

運送業、建設業、産廃業に従事する皆さん、特殊車両通行許可について正しく理解していますか?

「うちの車両は大丈夫だろう」と思っていても、実は許可が必要なケースは意外と多いのです。

2025年現在、特殊車両通行制度は大きく変わりました。

従来の「通行許可制度」に加えて、2022年4月から「通行確認制度」という新しい仕組みが導入されています。

この記事では、制度の基本から最新動向まで、実務担当者が知っておくべき情報を分かりやすく解説します。

特殊車両通行許可制度とは?

制度の目的

道路は一定の重量・寸法の車両が安全に通行できるよう設計されています。

この基準を「一般的制限値」と呼びます。しかし、社会経済活動上、この制限値を超える車両の通行が必要な場合があります。

そこで、道路の構造保全と交通安全を確保しながら、特殊な車両の通行を可能にするのが特殊車両通行制度です。

一般的制限値(覚えておくべき数値)

項目 制限値
2.5m
長さ 12m
高さ 3.8m
重量 20t(車両総重量)
軸重 10t
隣接軸重 18t(軸距1.8m未満)、20t(軸距1.8m以上)

 

重要ポイント: これらの数値を1つでも超えると、特殊車両として通行許可が必要になります。

2つの制度:通行許可と通行確認

従来の「特殊車両通行許可制度」

特徴:

  • 申請から許可まで標準3週間
  • 個別審査による詳細な検討
  • あらゆる特殊車両に対応
  • 有効期間:通常2年(優良事業者は最大4年)

適用場面:

  • 特殊性の高い車両
  • 確認制度の対象外車両
  • 確認制度の対象外経路

新制度「特殊車両通行確認制度」(2022年4月開始)

特徴:

  • 即座に通行可能(オンラインで即時確認)
  • 事前に登録された車両が対象
  • 複数経路を一度に確認可能
  • システム化による効率化

メリット「早い、簡単、便利」:

  1. 早い:即時確認、待ち時間なし
  2. 簡単:出発地・目的地入力のみ
  3. 便利:複数経路表示、経路選択が容易

業種別適用場面

運送業での典型例

  • 大型トレーラーでの重量物輸送
  • 建設機械の回送
  • 複数場所での荷卸し作業
  • 長尺物(鋼材、プレハブなど)の輸送

建設業での典型例

  • 自走式クレーンの現場間移動
  • 大型ダンプでの土砂運搬
  • ポンプ車、生コン車の大型車両
  • 建設機械の搬入・搬出

産廃業での典型例

  • 大型産廃収集車での回収作業
  • 処理機械の輸送
  • コンテナ車での大型廃棄物搬送
  • 特殊形状廃棄物の運搬

2025年の最新動向

制度改正のポイント

  1. 道路情報便覧データの定期更新
    • 2025年1月版が最新(2024年12月23日切替)
    • 3ヶ月ごとの更新で道路状況を反映
  2. 優良事業者制度の拡充
    • 有効期間の延長措置継続
    • 違反歴のない事業者への優遇措置
  3. デジタル化の推進
    • オフライン用プログラムの配布
    • システムの利便性向上

 

注意すべき変更点

重さ指定道路・高さ指定道路の見直し

  • 通行可能路線の拡大

 

ダブル連結トラックの対象路線拡充

  • 2024年9月から新路線での申請開始
  • 物流効率化への対応

 

まとめ:押さえておくべき3つのポイント

 

制限値チェックは必須 一般的制限値を1つでも超えたら許可が必要

新旧2つの制度を使い分け 通行許可(従来)と通行確認(新制度)の特徴を理解

最新情報への対応 制度は継続的に改正されるため、定期的な情報収集が重要

不明な点やご相談したいことが有ればご連絡ください。

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